アベノミクスで雇用状況がよくなって、大学生の就職率が格段によくなったのがここ数年の出来事です。
公務員や自衛隊の募集も人員確保に苦労してるというニュースをちょっと前にありました。そういう意味では、公務員にはなりやすい状況が続いてきたわけです。民間企業に行く人が多いというわけですからね。
でも、そろそろこの状況も疑問に思えてきました。
消費税増税で、今の日本経済の好調は終わるかも?
あれだけやめろと言ってる人も多いのに、やってしまった消費増税。安倍政権はこれまで2回スキップしましたが、政局の力学でしょうか、漏れ聞こえてくるのは「増税やめることで麻生財務大臣の面子をこれ以上潰すことはできない」という安倍総理の考え。
そんなことで国民生活を犠牲にしてどうするんだ?何のために政治家をやってるのだ?そんな思いです。
現にこんなニュースが出てきています。
総務省が6日発表した10月の家計調査によると、1世帯(2人以上)あたりの消費支出は27万9671円で、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比5・1%減だった。消費税率を5%から8%に引き上げた2014年4月(4・6%減)よりもマイナス幅は大きかった。消費増税前の駆け込み需要の反動に加え、今回は、台風19号の影響が重なったことが響いたとみられる。
読売新聞オンライン:10月の家計調査、消費支出は5・1%減…11か月ぶりマイナス
消費支出の大幅低下。GDPの多くを占めるのが消費支出です。これが下がるのは国民経済的にはとてもまずい。確かに台風の影響はあるかもしれませんが、やはり消費増税の影響を真剣に考えるべきですよ。
それに、こんな数値も出てきています。
財務省が9日発表した10月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す経常収支の黒字額は、前年同月比38.0%増の1兆8168億円だった。黒字は64カ月連続。米中貿易摩擦による景気減速を受けて輸出は減ったものの、原油価格が下落した影響で輸入の落ち込みの方が上回った。
経常収支のうち、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は2540億円の黒字。輸出はアジア向けの自動車や原動機、タイ向けの鉄鋼などが不振で、7.9%減の6兆5399億円だった。一方、輸入はサウジアラビアの原油などが減り、15.3%減の6兆2859億円だった。
共同通信社:経常黒字1兆8168億円 10月、38.0%増
貿易黒字はいいように思えますが、差額ですからね。内容をよく考え無いといけません。
輸入が減っているので、国内がお金を使っていない。物を買わないという状況になっている訳でもあります。先ほどの消費支出が低下しているとおり。
高層マンションも売れなくなってきてる傾向があるとか言う話もあります。消費税は一時の影響ではありません。税率を下げないかぎり、永遠に続く負担ですから昨年よりも負担は増えたままの状態が続きます。
それに、最近アホの自民党議員が「消費増税が嫌なら福祉を削ってもいいのかな?」みたいな発言をしたとか。宮沢でしたかね。財務省も増税好き。何で、景気をよくすることに力を注がないのだろう? そうすれば何もしなくても税収は増えるんですから。
先が思いやられます。またデフレ経済に戻ってしまうのでしょうか。嫌だなぁ。気分も暗くなります。
(追記)さらにこんなニュースも。
日本経済新聞社が10日まとめた2019年冬のボーナス調査(12月2日時点)で全産業の1人当たりの税込み支給額(加重平均)は7年ぶりに減少に転じ18年冬比0.99%減の84万293円だった。企業の業績悪化を反映し、米中貿易摩擦の影響で電機や化学など製造業の落ち込みが響いた。
これ、上場企業などの大企業での調査ですからね。年末なのに暗い話題ですよ。
来年の大学生の就職率はとても気になる
こんな状況ですから、日本経済はちょっと現状では楽観視できないんですよね。米中貿易摩擦の影響もありますし。
バブル崩壊の頃、大学生の就職活動が一気に難しくなりました。それまでは、企業からの囲い込みなどかなり激しかったのですが、次の年から「あれ?」というくらい動きが鈍くなりました。それ以降はさらに厳しくなり、失われた20年とかどうのこうのと言われるようになった訳です。
何だかその頃の状況が近づいているのでは無いかと心配しています。先にも触れましたが、不動産取引が悪くなってきたとかいうのも前の時を彷彿とさせられます。
まだ、日本観光に訪れる外国人であるとか、2020年のオリンピックであるとか、少しは下支えされているものがありますが、オリンピック以降はその需要がなくなるので厳しいとは前から言われていることです。
となると、来年の大学生の就職活動は、ちょっと影響が出てくるのでは無いかと思うんですよね。
公務員試験は今がチャンス?
そう言う意味では、公務員試験を狙うには2020年がラストチャンスかもしれません。これまで辞退などが多いということでしたから、当然合格しやすい状況でもあった訳です。
2019年に受験した人くらいまでが、競争率としては好条件だったのではないでしょうか。それが、現在の経済状況を見ると、明るい展望は描けません。
となると、2020年の試験は、景気の減速の影響も出てくると考えた方がいいでしょう。公務員試験を受けようかと思う人も増えてくる可能性があります。
なら難しくなるのかと思えますが、やはりそれなりの準備をしないといけないのが公務員試験です。2020年の春ごろになって、「公務員試験とかも受けておいた方がいいのかなぁ」くらいの考えでは、なかなか合格はできないでしょう。
ですから、多少競争率が高くなっても準備不足の人も多いはずです。競争率が高くなっても、準備の違いで勝負になるでしょう。そう言う意味ではラストチャンスではないかと思います。
最後に
どうあれ、景気減速はほんとにまずい。
この考えがハズレてくれることを祈ります。
ハズレたなら、学生の就職率は問題無い可能性が高いですし、それなら公務員試験を目指している人も競争は高くなりませんからね。
追記:就職氷河期、再来!?
2020年4月18日追記
この投稿をした時は、消費税の影響だけを考えていましたけど、新型コロナウイルスの流行で世界経済がガタガタになってしまいました。
民間の雇用は確実にダメになりますね。内定取り消しの話題も多くなりました。
今年が公務員受験の最後のチャンスと考えてましたが、今年の受験競争率は高くなりそうです。
ただ、受験者がいきなり増えても、準備が間に合わない人も多いでしょうから、受験倍率は上がっても準備をして来た人にとってはそんなに心配無いかもしれませんが、試験の開催も通常どおりできるのかどうかも怪しいですね。
ひょっとしたら、試験を見送る自治体も出てきたりするのでしょうか? 厳しくなりそうです。
公務員試験も厳しく、民間の就職も厳しい。そんな就職氷河期の再来かもしれません。今年の試験であろうと、来年の試験であろうと、公務員試験の準備はもうしっかりやらないといけないですね。