公務員試験対策 政治ニュースはこう見た

市役所試験にコネはあるのか無いのか? 合格者から見えてくる不思議な関係と噂

投稿日:2018年6月25日 更新日:

どんなものでもコネで合格って話は風の便りで聞いたりすることはありますよね。

市役所試験など公務員試験においてコネで合格するというような話はあるのか? 実際それができるのか? そういったというところ気になるところではないでしょうか。

建前上は「そんなものは無い」ということになるのだけども、果たしてコネは本当に無いのでしょうか?

ここは確証の無いレベルではありますが、そのあたりの私個人の意見を述べさせてもらおうと思います。

地方公務員の試験でのコネはあるのか?

結論から言って、コネ採用が全く無いとは言い切れ無いと思います。あるとも断言出来ないのですけども。

民間企業ではコネ採用は大なり小なりあるのは確かでしょう。ですが、公的存在である公務員の世界の採用が、一方で公平中立な方法で行われているかというと必ずしもそうとは感じられません。

もちろん、すべての自治体で「コネ採用がある」ということではありませんし、時期的、時代的なものも影響すると思います。

ただ、コネ採用の話があるということは否定はできません。

実際、私の友人には、教員採用試験の話ではありますが、「受験するのなら採用に優遇できるよ」という話はあったと言っています。ちなみに友人は受験はしていませんが。

また、公務員試験を受験することが親戚などに知られると、何かと勝手に周りが動いたりするわけです。ある県庁の採用試験を受験しようとした人が、何も聞いてもいないのに「聞いてみたのだけど、県庁の職員に話を持って行くよりも県議会議員にお願いしないとちょっと難しいだろうなと言ってたわ」いう話を勝手に言ってくる親戚いたという話を聞きました。

こういう話があると、全く無いとは言えないと考えるのが無難でしょうね。

試験合格者に見るコネ採用の空気

私が勤めていた自治体での同期の職員や、他の職員のつながりを眺めていると、少なからずコネの要素はあるだろうなという印象はありました。

職員の中には、職員や議員の息子、親戚はもちろんいます。親族ではなくても住んでいるところの地域の議員をよく知っている人もいましたし、地元の企業の有力者などの息子などもいます。

また、違う市町村から合格した人で個人的には縁のない人であっても、本人は知らなかったようですが遠い親戚が職員にいたりするという話もありました。

やはりコネ採用はあるのかな。

ただし、小さな市町村では、コネなどは無関係に親戚や知り合いなど、何か関係のある人が役所の中にいる可能性は高いので、どこまでコネの力が働いているのかは実際のところは不明ですね。

コネらしきものは使っておくべし

たとえコネの影響は公務員採用に全く無いとしても無視することは得策ではありません。

市役所試験を受けるならば、コネのようなつながりがあるのならば、お願いだけはしておくべきだろうと思います。

可能性があるものは使っておくべきなのです。万が一どちらの人間を採用するかというラインに乗ったときは、やはりそういうものは必ず効いてくるというのが人間というものですからね。

ただし、誰にでもお願いすればいいというわけではありません。議員に頼むとしても、その議員が役所の職員(幹部)と親しい間柄でなくてはいけません。職員にお願いしても同様です。それなりの地位にある人、影響力のある人でないと意味がありません。

力の無い人から口添えであれば「ああ、そうですか。頑張ってください」くらいの扱いでしかないですからね。

ただし、コネを狙った口添えであったとしても、実際に効果があるかどうかまでの決定的な話は、私はつかめていません。実際、人事にいた人と酒の席でそんな話になった時に聞いた内容では「採用は、どうにでもなる。コネとか無いとかいうけども、どうにでもなる」という話はありましたが…

ですので、どう転ぶのかはコネがあってもわからない。コネ同士の力関係もあるのでしょう。

採用人事の話ではありませんが、私が担当していた事業で市民から申し込みを受け付けるものがあったのですが、議員が間に入ってくるものがありました。私は、そんなの関係なしに申し込み順に処理していただけのですが、その処理結果を議員は市民に持って行って「ワシの力で早く処理してもらったよ」と言った自慢話をして、選挙の票に繋げてたりしているのです。

このように効果が無いにもかかわらず、効果があるように話が伝わっているようなものもあるのです。

市役所の採用試験でも同様のことがあるかもしれませんね。

まあ、意味があるのか無いのかは別にしても、誰か知っている人がいるのであれば、一言お願いしておくに越したことはないでしょう。小さな町であれば、地元の人ならどの受験生も何らかのコネのようなものは使っていると思いますからね。

ここ数年、自治体によっては議員の口利きを記録して問題が起こらないように透明性を高める手続きを行ってるところも増えました。ある自治体では年間100件を超えていた議員からの口利きが4件まで減ったとか。議員の影響力も低下しているかもしれません。

しかし、職員同士、仲のいい議員と職員など逆に不透明な部分が力を持っていきそうな気がします。

コネ以前の問題

ただ、コネ採用以前の問題がありまります。

筆記試験は絶対に失敗してはいけないということです。公務員試験の筆記試験は、おそらくほとんどが外部の試験会社などで採点されているはずです。結果に下駄を履かせるにしても限界があると思います。

ですから、筆記試験の対策だけはしっかりやっておかないとコネの意味は全くありません。

「コネありき」の採用では無いと考えた方がいいです。

とは言うものの、コネはあるかも

ですが、人事担当経験者と酒の席で話したことがありますが、「そうは言ってもどうにでもなるところはあんだよ」と言っていたのを耳にしたことがあります。

それ以上のことを話すことはありませんでしたが、筆記試験突破もコネが効く場合もあるようです。

恣意的に操作できるのか?

1次試験の合格ラインは恣意的に水準を決めることは可能ですよね。点数の上位から何人まで1次試験を合格させるかなどは恣意的に決めることができるのは当然ですよね。これはあり得る話です。

あと、これは全くの想像の話ですが、特定の人物に下駄を履かせて点数を引き上げることもあり得ると感じています。というのも、これは採用の話ではなく、普段の行政事務の中で言えることなのですが、通常、システムのデータなどは手続きを踏まないと修正できないように建て前の上はなっています。しかし、これを簡単に自由に修正できるように別の機能を持たせていることがあるのも事実です。職権でその場で修正してしまうというような言い方をします。

システム業者は公務員の仕事をよく知っている

たとえば、法令上は一定の率を掛けるような処理をしなければならないところを、別機能で率ではなく定数にして処理するというような機能であったり、処理日を変更して日付を遡って処理したりする機能などです。市民が通常は無理なことをいうようなクレームを処理する場合などに使います。(抽象的な表現になりましたが、お察しくださいw)

私が公務員時代にある事業のシステムを構築する計画がありました。業者との会合の中でシステム開発業者のほうから「ここは自分で修正できるように別機能がいりますよね」と言ってくるということもありました。それくらい業者は公務員の仕事の裏がどうなっているか知っていたわけです。

そう考えると、公務員試験の筆記試験も採点業者とのなにがしかのデータのやり取りに意図的な処理があるかもしれないという想像はできるのですよね。だからコネはここでも効く可能性はあるという見方ができるのです。

面接重視や人物重視の試験は公平なのか?

最近、面接重視とか人物重視とかいう公務員試験も多くなってきました。筆記試験は作文と簡単な教養試験のみで、あとは集団面接や集団討論といったものだけで合否を判定するという方式を採用してる自治体もあるようです。いわゆる択一試験に強いだけの人物はいらないという考えからのようですが、

これはちょっと不透明なところがいろいろ出てきていつか問題が起こるのでは無いかと思いますが、逆に、採用する側の心の中の問題でもあるのでコネであるかどうか全く想像できないものでもありますね。

私は公平性を保つためには、択一試験などはあるべきだと思いますけどね。

裏を返せばコネが見える?

そういえば、ある新人公務員から聞いた話ですが、彼はトップの成績で入庁したのですが、人事の人から「君は誰も文句の言いようのない成績でのトップ合格だから自信を持っていいよ」と言われたそうです。これは裏を返せば「文句の出るような成績もある」=「コネがある」ということを暗示していますし、その彼も「やっぱりコネってあるってことなのかな」とも言ってました。

ただし、全く地元の自治体とは無関係の地域出身者で、縁もゆかりもない人がたくさん合格しているのも事実ですし、毎年のことなのかどうかも今となってはわかりませんけどね。

教員採用試験口利き疑惑のニュースで見えてくるもの

以前、沖縄県の前副知事による教員採用試験での口利き疑惑が報道されました。いわゆるコネ採用疑惑の一つですね。

沖縄のニュースは教員試験の話ですから、採用に関しては市役所試験とはちょっと異なる面があるかもしれません。ですが、この話題が本当であれば、やはりコネはあると考えた方がいいのかもしれませんね。

2015年の沖縄県の教員採用試験で口利きをした疑いが持たれている安慶田(あげだ)光男・前沖縄県副知事が26日、県庁で記者会見し、「教員採用に関して働きかけをした事実は一切ない」として、文書で安慶田氏による働きかけを証言した諸見里(もろみざと)明・前県教育長を名誉毀損(きそん)容疑で25日に那覇地検に刑事告訴したことを明らかにした。併せて「作り話で名誉を侵害され、耐え難い苦痛を与えられた」として損害賠償を求めて26日に那覇地裁に提訴した。

毎日新聞:前県教育長を提訴 口利き疑惑証言で

このニュース、前副知事はこのように否定しているのですが、当時の教育長は受けて立つと言う姿勢ですし、公務員をやっていた私の感覚からすれば、十分働きかけがあったと感じてもおかしく無いと思うのですよ。余談になりますが、なんだかセクハラは受けた側がどう感じたかで問題になるような構図に似ているような気がします。

おそらく教育委員会には受験生についての問い合わせなどは、これまでも他にも色々あったのでは無いかと思います。それでも問題にならなかったわけですが、今回に限っては内部告発があった。それまでの慣例とは違うほどの強い働きかけがあったと考えるのが自然のように思えます。

仮にこの前副知事の言い分が正しいとしても、その言い分が職員には恫喝や人事介入とまで捉えられるような行動って一体なんなのだろうと思ったりもするわけです。

ただ、沖縄ということもあって、色々と他の力学も働いているのかもしれませんけどね。現在の政治的なニュースや政治的な対立を見ればきな臭いものを感じてしまいますよ。

どうあれ、結果的に人事介入になってしまったのは確かです。口利きが効いてる現象が起きたわけです。それが今日まで問題にならなかったのですから、問題になるような採用方法というものが現実にあるということでもあるわけです。

公務員採用も同様に、アンフェアに思える力が働いている可能性はあると考えるのは自然な流れだと思いますね。

このニュース、コネ採用の裏側を感じる話題だったと思います。でも、ここまで問題になるような介入は、行われていないだろうとは思いますけどね。

東京医科大学の裏口入学問題も構造は同じ

ごく最近では、文部科学省の前局長の受託収賄事件がありますね。

局長の子どもの入学に便宜を図ったとされる東京医科大学が、ほかにも、今回の問題が出る入試よりもはるか前から長年にわたって、いわゆる裏口入学のリストを作成していたとされています。

これについて詳しくは今後の捜査や報道を待つしか無いと思いますが、これまでに報道されている内容を見ても、学校の入学と公務員の採用という異なった状況ではあるものの、その構造自体は同じようなものだなと感じますね。

報道でもありましたが、この便宜とは無関係に大学側の国への申請は通っていた可能性もあると指摘されています。

このあたりは、ほんと同じ雰囲気だなと思いますね。

でも、これってそれなら詐欺的な動きでもあるわけですよ。何も問題ないのに官僚側が便宜を受けてる訳です。

不透明な部分があることで、官僚側は動きやすいしごまかしもしやすい。そんなところも何か似てますね。

まとめ

確かにコネがあれば心強いかもしれません。ですが、筆記試験で圧倒的な結果を出せばそこを無視するわけにもいかないのも事実です。コネが無いからといって諦めるのも早いですし、コネが実際に効いていない状況である場合もあります。

かなり昔の試験では、コネをカモフラージュするための市役所試験であるような時代もあったようです。試験問題も自作していたりしてたようです。ですが、昨今、公務員に対する市民からの目が厳しくなっているので、できるだけ文句を言われないようにしたくなるのが公務員の体質です。

ですから、あまり気にしすぎるのもよく無いと思います。

コネで使った人は、単なるメッセンジャーでしかない場合もありますからね。1日早く合否がわかる。それくらいのメリットしか無い場合もあります。

圧倒的な結果を残して他の受験生のコネを無力化するくらいの試験対策をしておけばいいのです。

ただ、コネって採用時よりも、その後の昇進や人事異動の時の方がその人の公務員人生の中に効いて来ると私個人としては感じています。そっちの方が採用の時よりもどうにもでもなるでしょうから。

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