政治ニュースはこう見た

市役所の庁舎内で「赤旗」勧誘って、これこそ共産党議員への「忖度」慣習ですよ

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公務員に関する話題で、報道されているニュースについても私の経験からコメントしていこうと思います。公務員の仕事をしていると、どんなことが起こったりするのかなということにも関心がある公務員志望者の人もいると思いますよね。

ニュースを通じで、本音を語ってみようということです。まあ、元公務員である私としての本音であって、他の職員、現役の公務員は違う考えかもしれませんし、自治体によっても状況は異なるかもしれないということも注意していただければと思います。

庁舎内での「しんぶん赤旗」勧誘について

とりあえずこの話題からやってみましょう。しんぶん赤旗です。

先日、こんなニュースがありました。

東京都狛江市役所庁舎内で共産党所属の複数の市議が市職員に対し党機関紙「しんぶん赤旗」の購読勧誘や配布、集金をしているとされる問題が19日、市議会総務文教委員会で審議された。市総務部長は、長年慣習として行われてきたと認め、「(市の)政治的中立が疑われかねないので、庁舎内での勧誘、配布、集金は原則禁止しなければならないと考えている」と述べ、今後職員らに徹底させると明言した。

産経ニュース:狛江市庁舎内で「赤旗」勧誘禁止 「政治的中立疑われる」

これは、以前から話題にもなっていましたよね。

市役所の状況を知らない人は「オイオイ」って思うかもしれません。あるいは「何が悪いの?」って感じてる人もいるかもしれません。

ニュースの記事にあるように「政治的中立疑われる」という言葉で何が問題なのかはわかりますよね。

これ、私が勤めていた市役所でもありましたよ。

上司の市役所職員は共産党員か?

私も市役所に勤め始めた時にビックリしたのですよ。上司が「しんぶん赤旗」を読んでるのを目にしたんです。

「うちの上司はアカなのか? 赤旗なんか読んでるわ」

そう思ってどういう態度でいればいいのか迷ったんですよね。変な職場に来てしまったな、なんて思ったりしました。

ただ仕事をしているうちにそうでは無いことがわかります。上司が私に仕事上のアドバイスとして、議員さんの扱いには気をつけろ、特に共産党議員はおかしなことを言ってくるから下手なことは言うなと言ったのです。

その上司の態度は共産党への敵対的な態度でもあったので、共産党のシンパでは無いとわかりました。

ではなぜ「しんぶん赤旗」を上司が読んでいるのかというと、まさにニュースの記事にもあるように、慣例として共産党議員が管理職クラスに「赤旗」の勧誘をしているという結果なのでした。

なぜ市役所の管理職は「しんぶん赤旗」を読んでるの?

赤旗を読んでいるのは私の市役所では管理職の人間でした。ニュースでは慣例として正当な活動のように書かれていますが、裏はそんなに綺麗な話ではありません。

もちろん表向きは何も問題が無いように見えますけどね。

では公明党の議員さんからも新聞をとっているのかというとそんなことはありません。

最近、「忖度」という言葉が大流行りですが、赤旗購読は市役所管理職の共産党議員への「忖度」なんですよね。慣例になっているくらいなので、今は直接の圧力があるわけでもないのでしょうけど、要するに議会で厳しい質問を受けたくない市管理職側の弱みでもある訳です。

ちなみに共産党の議員は合ってる合ってないは置いておくとして、よく勉強している議員は多いのです。ですから、市議会での質問もかなり厳しいものが多い。国会の予算委員会でも共産党は厳しい質問しますよね。間違ってるものもありますけど、要するにそういう厳しい舞台に市の部長連中は立ちたく無いのです。

議会の答弁書を作るのは各課なので、課長、課長補佐くらいまでは赤旗をとっている人を見かけましたね。

まあ、共産党に限らず、気に入らないことがあれば、議会で質問するのが市会議員の生態でもあるのですけどね。私も何回が担当する仕事で議員の不当要求には言うことを聞かず、報復と思われる議会質問が合ったのを覚えています。

要するに、市管理職の赤旗購読は議会対策でもあるのです。よく言えば付き合いです。でも、共産党にだけそういう付き合いをする理屈はありません。政治的中立が問題にされる理由はここにありますね。

ただ私の上司は、赤旗を購読している理由として、「共産党がどんな理屈で考えているのかを知るには役に立つ。どう対処すればいいかわかるからね」と言って、積極的に共産党対策に使ってもいました。

赤旗以外に購読しているもの

この赤旗購読は個人で購読しているので、公的な予算は使われていないのでそこは問題ありません。待合室に置かれている新聞は全国紙と地元地方紙くらいでしょう。

個人で購入しているということがこれまで理屈で通っていたのでしょうね。よく共産党の議員さんが時々上司のところにやってきて集金している姿がありました。一体何なのかと思ったのですが、購読日の集金だったんですね。

ちなみに赤旗以外にも職員は個人的に購読したりしているものがあります。スポーツ新聞を取ってる人もいますし、週刊少年ジャンプや週刊誌なども地元の書店などが配達に来ます。ヤクルトのおばさんなんかも来てましたね。

もちろん、これは問題無いですよね。単なる企業活動と消費者の関係です。仕事中に読んでいる人はいませんでした。このあたりはキチンとしてるなと思ったところです。

まとめ

赤旗の購入問題、ニュースで扱われた市は全面禁止にしたそうです。

でも、自宅へ配達ということになったと市議会議員の人がツイートしてるのを見たのですが、これはちょっと状況がわからなくなるだけじゃ無いのかなとも思います。一旦、解約すべきだと思うのですけど。

隠れて圧力が加わることにならないのかなと思ったりしますね。

最近は他の市町村はどうなのでしょうか? 個人情報保護の観点から、事務所内は机の上に一般には出されない資料が置いてあることがあるので、最近は部外者が入ることがかなり制限されてきています。

政治的中立性以外にも、禁止にできる理由は色々あると思いますけどね。弱みにつけこんだ商売にしか、私には見えませんでしたよ。

さて、次は何について書くかな?

元小役人はこう言った。

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