文部科学省で新たな汚職事件が発生。大学への支援事業の選定で便宜を図ることへの見返りに、なんと文科省官僚の息子をその大学に合格させていたという事件が発覚した。
これは世間でいうところの「裏口入学」って話でしょうかね。裏口入学というとなべやかんを連想する世代です。
ただ、これまでの裏口入学っていうのは受験生側が学校側にお金を支払って合格させるというパターンでしたが、この事件では学校への補助事業という業務上の権利を利用していて、個人と学校との話ではなく、個人が国の制度を利用して学校を巻き込むという公務員にしかできない形になっていますね。
ほんとこれは文部科学省にしかできない裏口入学ですよ。
文科省の腐敗は前川喜平のDNA?
この文科省の事件をニュースで知った時、一番に連想したのが事務次官であった前川喜平氏です。
彼は天下り斡旋に関与してその隠蔽にまで関わっており、私から見れば本来は懲戒免職に値すると思うのですが、なぜかそこまでの処分になっていません。
今は反安倍政権の急先鋒として、左翼言論界からはスター扱いです。この動きは全く意味がわかりません。本来なら天下り問題で徹底的に吊るし上げるべき人物なのですけども、政権批判に利用できるならなんでも使う左翼界隈。このあたりが信用できないし、気分が悪くなる集団にしかみえません。
そんなのが文科行政の事務方トップをやってたのですから、そりゃ恐ろしい。
そしてこの事件が起きたのですから、もう前川時代からある文科省のDNAなのだろうと考えるのが妥当でしょう。
おそらく他にもあるのではないですかね。無くても、そういうことを行える土壌は確実でしょう。ただ、そこをやらないのが公務員の矜持なのですけどね。
でも、やっちゃった。
文科省は国民に巣食う害虫
上武大学の田中秀臣教授が次のように論評しています。
文科省貴族たちの腐敗は、最近では、前川喜平氏が事務次官時代のときに明らかになった天下り斡旋問題がある。吉田大輔元高等教育局長が在職中に、利害関係のある私大に就職あっせんを同省の関係部局に依頼し、そして再就職を実現した問題を契機としたスキャンダルである。しかも同じような手口やまた文科省役人たちのOB組織なども利用してのまさしく省庁をあげての天下りであった。
天下りと今回の「裏口入学」もともに大学行政に対する文科省の「権威」を利用した点では同じである。もちろんこの「権威」は、あるとするならば、国民がこの官僚たちに託した仕事でしかない。その意味では、国民から請け負った仕事、その財産を不当に私物化しているといっていい。まさに国民に巣食う害虫たちである。
NEW'S VISION 裏口入学で露呈した”文科省貴族”腐敗のきわみ…「前川喜平氏の天下り斡旋」以降も反省の色なし
この記事は文科行政の腐敗についてわかりやすく指摘しています。ぜひ全文を読むことをお勧めしますね。
その他、こういった指摘はこれまでのジャーナリズムや学者などからも度々指摘されてきたわけです。それを今になって安倍政権批判と結びつけて論じる向きがあるようですが、それは偽ジャーナリズムでしょう。政局に利用しようとしている一部野党政治家も腐っていますよ。
よく前川氏は天下り問題の責任を事務次官だから責任をとって辞めたって理解している人も多いようですけど、全く違いますよ。
博士号持ちならまだいいんです。前川たちがやってきたのは、博士号のない者を「文科省との連絡調整」担当の教授として大学に押しつけるという、言語道断の所業。 https://t.co/C95rYu5sJg
— 玉井克哉(Katsuya TAMAI) (@tamai1961) 2018年7月5日
こちらのPDFを読んだら直接関わってるのがよくわかります。=>文部科学省における再就職等問題に係る調査報告(最終まとめ)
この事件で言われている便宜自体は問題無い
この事件、ある側面だけは全く問題ありません。
このニュース記事を見てみましょう。
文部科学省の私立大学支援事業を巡る汚職事件で、受託収賄容疑で4日に逮捕された同省前科学技術・学術政策局長の佐野太容疑者(58)(4日付で大臣官房付に異動)が昨年、東京医科大学(東京)側に対し、同大が支援事業に応募する申請書類の書き方を指南していたことが、関係者の話でわかった。東京地検特捜部は、佐野容疑者の行為が贈賄側への便宜供与にあたるとみている。
YOMIURI ONLINE 前局長、申請書指南…大学幹部は「合格」指示
大学側が応募する事業に対して、申請書類の書き方をこの文科官僚が指南していたとあります。
この点については、全く問題が無いとも思います。いつまでやってるのだと感じている加計学園の問題でも、申請書類が最初に不備などがあってそれに官僚側からアドバイスしたのはダメだとか言ってるアホな人たちがいますが、公務員の窓口ってそんな仕事ばかりですからね。
例えば、何かを市役所に申請する時に、一般の市民が市役所から「所得証明書を添付してください」と言われたとしましょう。
初めての人はいったいどうやったら所得証明書が取れるのかわかりませんよね。これは税務担当課で取得できるます。家を建てる時の建築確認申請だって窓口で修正したりする人もいるでしょ? 運転免許の更新だって、どこをどう書けばいいのかわからないところもあると思います。まあ、免許センターはかなりシステマチックになっててそれほど混乱することは無いでしょうけど。
公的機関への申請ってそんなものです。
元経産官僚の石川和男さんもこうツイートしていますね。
申請する人に対して申請書の書き方を教えることはよくある話。
だが、便宜供与の要求は滅多にない事。(っつーか、やっちゃダメ。)
~文科省前局長 申請書の指南 https://t.co/FQ6fEdSl3d
— 石川和男(政策アナリスト) (@kazuo_ishikawa) 2018年7月5日
申請書の書き方を教えるなんて当たり前なのですよ。
私も手取り足取り書き方を教えたり、他の行政機関に問い合わせてあげたりしたりしたこともありますよ。
そこに見返りを求めるって、それこそ文科省の隠れた体質なんじゃ無いですかね。
本来は、そんなにできるものじゃ無いはず
ここで扱った内容は申請書の書き方だけですが、本来ならそれくらいのことで見返りを要求できるようなものではないでしょう。
でも、裏口入学という便宜供与を受けた。
これは、文科省がこれまで大学側に相当なプレッシャーをかけ続けることができていたからでしょう。頭に入れて置かないといけないのは、安倍政権を批判している前川氏が天下り斡旋をしていたことも同じだということです。自分たちの不当な権益を守ろうとしてる構造にしかみえません。
それにしてもおかしな構造ですよ。不正を働いている側が、政権に文句言ってるんですからね。仮に政権側がおかしいとしても、文句を言う資格なんて無いでしょう。
安倍政権批判で安倍総理を辞めさせたところでこの問題は解決しません。文科行政をしっかり改革するしか無いですよ。
文部科学省を解体するくらいして、教育行政の改革をしないとダメかも。一部地方に任せたっていいものもあるのでは無いでしょうかね。