元小役人の囁き

モリカケ問題で話を聞くには「この人」に聞けと思うのですよ

投稿日:2018年7月5日 更新日:

なぜモリカケ問題は当事者に話を聞かないのだろう? 証人喚問だって、その組織の長を呼んだって意味がない。

東京の豊洲新市場問題でゴタゴタしているのも同じで、起案者に聞くのが一番でしょう。つまり、直接の担当者。

組織の長や担当部署の部長や課長レベルではなく、一番末端の担当者に話を聞かないと意味がないです。

元幹部に話を聞いても無駄では?

モリカケ問題、大きな契約ですから上層部の人の決定や判断があるに違いないから、ヒアリングを行うなどをこれまでしてきていますね。

いろんな話が出てきています。証人喚問もありましたし、記者会見もありました。正直に話しているものもあるでしょうし、保身のために話を濁している人もいるでしょう。また、時間も経過しているため、記憶が曖昧なこともあるかもしれません。

この幹部の話をいくら積み上げても話はなかなか進まないのではないかと思いますがいかがでしょうか?

起案者に注目すべき

ここで話を聞くべき人は、当時の幹部連中ではなく、起案者であるということを強く主張したいですね。

起案者とは、事業などを行うときに、各部署で書類を作成する末端の職員です。要するに担当者ということになりますね。公務員のおこなう業務での書類というものは、担当から係、係長、課長補佐、課長までの決裁で一般的な業務は行われることになります。

これに他の部局が絡むものや予算の大きなものは、他の部局の部長、収入役、助役、市長まで決裁を回すことになります。モリカケの問題はどこまでかわかりませんが、それなりの上司のところまでということになりますね。

もちろん、上層部の方で、相談や調整があらかじめなされたりすることがあるのも確かです。ですが、この起案を作るのは一番下の係員であることが多いでしょう。あるいは、係長レベルの人が起案者ということになるはずです。

このモリカケ問題についての決裁文書の起案者は誰なのか。そこを確認するのが実態に近づくのに一番最適だと思われるのです。

いくら上層部で相談がされていたとしても、そのあたりの雰囲気を織り込んだ形で起案文書は作成されるはずです。だから、上の方でどんなことが決まって降りてきたのか、その起案者である担当者が一番よくわかっているはずなのです。

もちろん、職位の低い人が起案してる場合も形だけ起案者となっている場合もあるでしょう。それでも、上の都合というものを感じ取っているに違いありません。

そもそも、公務員の決裁文書の責任のありかというものは、そこにハンコを押した人(決裁を回した人)であり、最終的には起案者ということになります。だからこそ、問題がなんであったのか、どういう経緯であったのか、その隠蔽的な体質も含めて起案者が一番流れの雰囲気を感じ取っているはずなのです。

学校で起こった不祥事の問題などでも同じ雰囲気

話は変わりますが、学校などのいじめ問題で事故や事件があったとき、その学校の校長や教育委員会などが記者会見に出てきますよね。そこで校長が「あの生徒はこんな性格の子でした」という話をしますが、そこまで知っているわけはないだろうと思いながら見てる人も多いはずです。

担任の教師や当事者、その友達などの話が一番実情に近いわけですから、本来はそういう近い人の話が一番なわけです。

コンプライアンス上、責任ある立場の人が出るのはわかりますが、このワンクッションがあるために実態が覆い隠されてしまうということが大いにあるはずです。

モリカケ問題も野党政治家の理解がすすまないのも同じような面があるのではないかと思います。まあ、こちらは政局に使いたいだけと言うのが本音でしょうけどね。

末端の担当者レベルの議論をすべき

もちろん、これは内容によってはある意味で暴露話にも繋がってしまうことにもなりかねないので、起案者を公益通報のような身分保護などの対応も必要になるかとは思います。そのあたりをクリアできるならば、担当者(起案者)にじっくり話を聞くのが一番ですよ。

内部調査というものが公務員組織でもあるとは思いますが、徹底したヒアリングが行われているかというと疑問に思えるところもあります。馴れ合いで進んでしまうことがありますからね。

外部の人が厳しく追及すると言っても、その組織の細かいところまで掴んで突っ込んで調べることはなかなか難しいでしょう。担当の人をどう巻き込むかがこういった問題の鍵になるはずです。

ただし、その起案者が幹部連中であったなら、この話は元の木阿弥ということになって、マスコミで言われているレベルの話に戻ってしまいますけどね。また、担当者が、その後の役所内での置かれる立場を考えてはっきり答えない可能性もあるので、決め手にならない面もあります。

公務員の組織防衛の結果かも

モリカケ問題はもはやこじつけ的な話も多くて、新情報が出たと騒いだものはすでに1年前に何時間も話た問題の焼き回しばかり。時間の無駄にしか思えないし、官僚は政治家を追い落としたいと言うのが本音じゃないですかね。公務員って政治家嫌いだと思いますので。

でも、決め手になる情報が出てこないということは、官僚側に落ち度があると思った方がいいと思います。官僚側の組織防衛の方が強いはずです。公務員が保身に走ってると考える方が、私からすれば見やすいですね。

東京の豊洲問題は、もう政治決断しかないでしょうね。小池知事はなんらかの決定をしたようですが、先送りというか責任逃れできるような決定。

おそらく東京都の職員の士気は低くなってるだろうなぁ。小池旋風が大きかっただけに、都民だけでなく職員が頭を抱えていると感じています。

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