沖縄県にある米軍の普天間基地を辺野古に移設する計画が進んでいますが、沖縄県知事は県民投票を実質するようですね。
なんだかなぁ。
沖縄県の玉城デニー知事は27日午前、米軍普天間基地(同県宜野湾市)の名護市辺野古移設の是非を問う県民投票について、来年2月24日に実施する考えを明らかにした。県庁で記者団に「その方向で調整している」と述べた。「後ほど調整して(正式)発表になる」とも話した。
日本経済新聞 - 沖縄の県民投票2月24日に 辺野古是非問う
これ、はっきりいって意義を感じないんですよね。県民全体で是非を決定するような性質のものでは無いと思うんですよね、これって。
関係無い住民に聞いてどうする?
基地問題は安全保障上の問題なので国の問題であるから地方自治体は関係無いという話などもありますし、最高裁判決などいろいろと話題はありますが、私はそもそも住民投票について疑問を述べておきたいと思います。
住民投票自体に法的拘束力が無いとかそういう話をするつもりはありません。
基地問題から離れて、そもそも住民投票ってどんな時にするものなのでしょうかね?県民全員に関わるものであれば意味はわかりますが、住民投票ってそのほとんどが市町村レベルで扱うような内容だと思うのです。
住民投票をしなくても、住民説明というものはよくありますよね。その延長でしょう。
例えば、ゴミ焼却場を地域に作るとか、下水処理場を建設するとか、保育園を新設するとか、そういうもので住民説明会のようなものが行政側からありますよね。ほぼ間違いなく、それが建設される地域だけであるはずです。
そういう施設ができる時、反対の声が上がるのはよくあることです。まあ、そのほとんどが交渉で済むわけです。そもそも住民投票まですることにもなりません。なぜなら、その建設地域とは関係無い地域がその自治体には多くあるからです。
かなり大規模なものを持ってくるとしてようやく市町村全体レベルの話。そこでやっと住民投票をすべきかどうかの話になるものでしょう。
さて、辺野古基地ですが、沖縄県全体と関係あると思いますか?
辺野古の住民はもちろん関係あるでしょう。広げての名護市までです。さて、石垣とか与那国とか辺野古と直接関係あります? 私が感じているのはここです。全く無関係な地域の判断を聞く住民投票って意味がありますか?
関係あるというのなら、そうなると安全保障の話ですから国民全体に関係があるので国民投票ということになるじゃ無いですか。まあ、そういう仕組みはありませんけども。
お金の無駄
それにお金の無駄です。
選挙同様に、これで何億という支出が必要になるだけです。もっと県民生活の直接の向上に役立てるべきでしょう。
そもそも、玉置知事は辺野古移設反対を主張して県知事選挙を戦い、それに勝ったわけです。県民投票なんてしなくても、民意は反映されてるわけですから、玉置知事がしっかりと国と交渉すればいいことなのです。選挙したばかりですよ。やる意味無いですよ、選挙勝ってるのに。
逆の結果になったらどうするんだろ? そこで「住民投票に法的拘束力は無い」とかいって無視したら笑いものですよ。
それに普天間をどうするのかという視点が無いままに辺野古反対を主張する声には全く納得がいきません。住民投票はこれも合わせてやらないと全く意味が無いですよ。
そもそもの感想
住民投票を交渉材料にしたいだけなのはよくわかりますが、そもそも、私はあの奇妙な反対運動の不当さ、違法とも言える暴力性を伴った活動自体に腹を立てているので、賛否以前に反対派を支持することはできませんね。
辺野古移設することは少しでも基地問題の前進になるのだが、それを妨害してるようにしか思えない。ゼロイチでしか判断しない政治なんてそもそも無理ですよ。
尖閣諸島の日本領海内に中国公船が頻繁にやってくることに対しても、批判の声をあげない基地反対派はとりあえずは信用しません。
まあ、国も地位協定とかその辺りはしっかり改定して運用で誤魔化し誤魔化ししないことも必要ですけどね。
追記:やっぱり出てきた県民投票拒否の自治体
追記です。
2018年12月20日
やっぱりここでナンセンスと言ったことが現実味を帯びてきました。宮古島市が県民投票に疑問を投げかけた形ですね。
沖縄県宮古島市は18日、米軍普天間飛行場(宜野湾市)を名護市辺野古に移設する計画の賛否を問う県民投票(来年2月24日投開票)について、関連予算を執行しない方針を固めた。県民投票への協力を拒んだのは県内41市町村で初めて。他の自治体にも広がる公算が大きい。
zakzak:辺野古移設の県民投票、宮古島市が拒否
当然ですよ。
「辺野古に基地を移転する事項は国防上の問題で国の専権事項であり、沖縄が方向を変えることはできない」というとても常識的な意見を述べています。
玉城デニー知事は「住んでいる地域によって県民の投票の機会が失われることがあってはならない」と記者団に述べたとのことですが、「住んでる地域によって」なんて言ったら究極的には国民投票ですけどね。地域それぞれのことを考えたら県民投票するような性質のものじゃ無いんですよ。
芸能人がホワイトハウスに基地移設反対のネット請願を訴えていますが、こういう人たちの発言の軽さは今も昔も不快なものを感じます。だって、ワーッ!って盛り上がって騒いで終わり。なんら責任ある行動なんて無さそうだもんなぁ。
2019年1月26日
さらに追記します。
県民投票が行われるように動きましたね。
https://t.co/qfEilGIJJc
県民投票、県議会が三択で合意。県議会が改正案を議決後、市議会に諮り、その結果を尊重します。これは県議会の議決を受けての動きであり、決して抗議やハンストを受けての翻意ではありません。因みに抗議の電話、FAX等は10日間で合計920件。業務に著しく支障をきたしました。— 中山よしたか(石垣市長) (@yoshitaka_ISG) 2019年1月25日
抗議の電話とかって本当に時間の無駄なんですよ。仕事になりません、本当に。
県民投票は三択ですか。なんだかな? 世論調査ですな、こりゃ。
ただ、沖縄県内の公務員はこの投票事務で小遣い稼ぎにはなるんでしょうね。選挙手当と同様な金額がもらえるのでしょうか。それとも、時代の流れで経費削減の代休扱いになるのかな?