元小役人の囁き

市役所幹部は、市長選で現職市長を支えるのか? 大阪市の例で感じた選挙と公務員

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大阪市の吉村市長が、興味深いツイートをしていたので、ちょっと触れてみておきたいと思います。

どういうツイート内容かというと、市長選挙において、現職市長が立候補する時に、市役所側が現職市長を支えることになってるというものです。

組織ぐるみで選挙に介入?

そんな言葉を使うとおどろおどろしいですが、大阪市の場合とは違うかもしれませんが、私が勤めていた市役所での感覚を合わせてまとめてみたいと思います。

吉村洋文大阪市長のツイート

まずは、大阪市の吉村市長のツイートを見ておきましょう。

吉村市長はこうツイートしています。

橋下徹さんが大阪府知事から大阪市長に変わろうと選挙に出た時、かなりの橋下叩きがあったことを思い出しますね。その頃を思い出すと、この吉村市長のツイートに書かれている市長選の構造も、ちょっとアンフェアな印象を余計に感じます。

ファシズムならぬハシズムとか、橋下独裁とか無茶苦茶で失礼なレッテルを貼って橋下批判する本もでていました。日本のリベラル陣営のレベルの低さ、言葉の重みの無さを痛感したものです。

内田樹、山口二郎、香山リカ、上野千鶴子、中島岳志といったなんかよく安倍政権批判でも同じような顔ぶれが勢揃いで逆に笑えてしまいます。

もちろん、橋下維新や大阪都構想が全て良いとは思いませんが、こういう人たちのヒステリックな批判は違和感を通り越して、気持ち悪さしか感じません。で、リベラルを自称してるんでしょ、この方々。

役所ぐるみの市長選とは

この吉村市長の指摘する構造を見ると、「ぞっとする」と感想を漏らすのも理解できますね。役所ぐるみと批判されても仕方ないでしょう。

この大阪市の実態の動きはこちらとしてはわからないのですが、ここまで役所ぐるみと言わないまでも、どこの市町村でも役所ぐるみの選挙というものは形式的にはあるのではないかと思います。

私の勤めていた市役所でも、形式的にはそういう印象はありましたね。ただ、この大阪市の場合は全部が同じ候補者に向かっている構造になっていますけども。

おそらく、市役所の幹部職員というものは、形式的には現職市長を応援する側になります。なぜなら、現行の政策を行なっている側だからです。市長選に対抗候補者が出てくるなら、形式上は現行のやり方に批判する側であることが多いのはわかりますよね。

要するに行政政策の継続性の一つとして、市役所幹部は現職の候補者を応援することになります。

と言っても、何か選挙運動を積極的にやるということでは無いでしょう。私の経験では、現職の市長候補者が市役所の前で朝に候補者演説を行う場合、聴衆として演説の場に市役所の管理職、主に部長級の人たちが出てきて演説を聞くという行動をとっていました。

逆に、対抗候補者が連合推薦によるものであれば、市役所の労働組合などが今度は演説を聴きに聴衆となるという動きはありました。かといって特に管理職側と対立しているという訳ではなく、単なる労働組合組織上の建前の動きです。現職を労組側も応援する側になることもあります。

いずれにしろ、これらはただのその場を成立させるためのサクラでしか無いんですよね。候補者に華を持たせるというか、誰もいないところで演説をさせるのは忍びないというか、そういう空間を作るという動きだけでしか無いんですよね。演説が終わると、管理職側も、職員組合側もさっさと仕事に戻ります。

ちなみにこの演説は仕事が始まる前に行われるのが普通ですので、「仕事中に何をやっている!」という批判は当たりません。

公務員のルール作りは必要

ただ、大阪市の場合はもっと関わっていたのかもしれませんね。吉村市長の示す資料を見ると、結構システマティックになってます。

まあ、このあたりは自治体ごとに違うのかもしれません。本当に裏で真っ黒なことをしてる自治体もあるのかもしれません。

大阪市長が言うように、条例できちんと整備することは本当に重要です。これは逆に公務員を違法行為に陥ることから守ることにもなりますからね。

時々、「これ、公職選挙法違反にはならないの?」と漠然と思ったりすることもあります。普通は、人事当局に組合が違法になるかならないかを確認してから動いているものばかりだと思いますが、過激な組合はそんなこと無視してやってるところもあるのでしょうね。時々、ニュースになるのを見てると、クビにしろって思うのですが、それでもできないのが公務員の身分の強さと言うか、変な感じのするところですね。

あなたの自治体はどうでしょう? 私がいたところは、まあ問題は無かったかな。

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