障害者雇用の水増し問題がいろんな役所で発覚しているようです。
確かにこれは問題でしょう。
障害者の雇用割合(法定雇用率)の水増し問題が中央省庁で発覚する中、愛媛、山形、高知各県も20日、同様の水増しがあったと相次いで発表した。国だけでなく、地方自治体でも法律に基づいた雇用が行われていなかった。
YOMIURI ONLINE 障害者雇用の水増し、各県でも続々…3県が発表
ただ、典型的なお役所仕事の結果なのではないかと思ったりするんですよね。
障害者の雇用はあった?
この障害者雇用って、官庁や都道府県庁、市町村役場での話が問題になってるって理解でいいですかね?
私の勤めていた市役所で、障害者って雇用されていたかなぁ? と思い返してみたのですが、目に見てわかる範囲では見当たらない感じでしたね。
でも、実際にはいましたよ。仕事で関わる機会が全くなかったので気づかなかったのですが、聴覚障害の人が雇用されていました。
ただ、普通に会話できていたので全く気付かない。発話が少し変だったので、ようやくわかった感じ。仕事はキチンとやっていたように思えますね。
それ以外にもいたのかもしれませんが、障害者雇用として扱われているのかどうかはさっぱりわかりません。私のいた中では他にま全く気づきませんでした。
ひょっとしたら内臓疾患系の障害のある人がいたのかもしれませんし。
市の外郭団体に勤めている人は見たことがありますが、これが今回の数値にカウントされるのかどうかは担当していないのでわからないですね。
過剰なプライバシー保護も問題
ただ、ニュースにもあるように、プライバシー保護を理由にキッチリと確認できていないというのはあるだろうなというのが率直な感想です。
ここに関しては、しっかり手帳を確認しないといけないことなのでしょうけども、確認しないのも優しさでもあるよなとも思います。まあ、該当している人であれば問題ないと思うのですけどね。
最近、プライバシー保護の意味を履き違えているのか、こういうところでの妥協って公務員にはとてもあると思います。単に本人確認くらいならもう一般化されていますけども、個別の特殊事情に関しては、過剰なのではないかと思うこともありますね。
先日話題になったLGBTの生産性発言なんかも同じで、腫れ物にしてしまって悪影響が出ていると思います。ちなみにあの発言は言葉選びは問題にしていいとは思いますけども、発言した本人が差別しているかどうかはまた別だと思うのですよね。そこが無いまま、やめろだとか謝罪しろだとか声高に騒いで抗議するのはちょっと違うと思います。
またも出てきた無能野党の合同ヒアリング
こんなニュースが流れていて目がテンになりましたよ。
立憲民主や国民民主、共産など野党は20日、中央省庁が雇用する障害者数を長年にわたり水増ししていた問題をめぐり、府省を対象にした合同ヒアリングを21日に国会内で開催すると発表した。野党側は国会での閉会中審査開催を要求しており、省庁幹部から水増しの有無を直接聞き取ることで、政権への追及を強めたい考えだ。
いやいや、これまたただの政権批判に利用してるだけで、実際の障害者雇用の状況を改善しようなんて意図が全く無いですよね。
そもそも、これは政権とは関係なく、かく官庁の取り扱いの問題。これは上から「キチンとやれ!」の命令で済む問題ですよ。
それになんでこんな合同ヒアリングを今になって開くのでしょう? 東京医科大学の裏口入学問題に関わる文科省スキャンダルだって、キッチリとヒアリングすべきですよね。でも、関係者に立憲民主党の議員の名前が出てきてるからとしか思え無いくらい、この話題はスルーしてきてる訳で。
政権追及、全く意味が無いですわ。なんか不誠実な野党ですわ。
雇用形態ってどうなのだろう?
今回の問題になっている障害者雇用ですが、雇用形態ってどうなっているのだろうと思っています。
おそらく正規職員ではなく、嘱託職員とかアルバイトなのでは無いでしょうかね。私の勤めていた市役所での対象者は、確か嘱託職員でした。その障害者の人は、勉強して公務員試験を受験していたようですけどね。
正規の公務員はこの公務員試験があるから、裁量的に障害者を雇用するには嘱託での採用方法をとるしか無いところもあるのでしょうね。
あと、今回の水増し。ミスマッチとかもあるのではないかなと思ったりもします。例えば採用の声をかけていたとしても、障害者側の方が違う仕事を選んだりということでなかなか数値が満たされないなんてこともあるのでは無いかと思います。
こんな声もありました。
平戸市職員採用にも障害者枠があり門戸を広げている。しかし応募が少なく国や県の出先機関からいつも睨まれ指導を受けていた。希望がなければどうしようもなく正直に報告するしかない。その一方で省庁や県庁レベルで水増ししていたことが発覚。誤魔化しの監督官庁が正直な自治体を指導していたとは。
— 黒田成彦 (@naruhiko_kuroda) 2018年8月21日
平戸市長も言ってるように、だからと行って水増しするのはダメですけどね。
水増しはなぜ起こった?
なぜ、今回の水増しが起こったのでしょう。全国的なので、もう構造的なものになってるのだと思います。
私個人としての独断的な理由を考えてみました。
一つ考えられるのが、公務員はミスで怒られるのが嫌だってことでしょう。これは誰もがそうだと思うのですが、とても打たれ弱いところがあります。そこで抜け道を考える訳です。
その抜け道とは、説明がつけばいいだろうという考えですね。今回、障害程度の軽いものは手帳を確認していなかったというものがあります。こんなのが典型では無いでしょうか。確認していなかったというのもちょっとした言い逃れでもあります。数字をいじるのに、理由があれば言い逃れできる。そんな感じでは無いでしょうか。
あとは、前例踏襲です。それまでやってきたことを代々やってきてる訳です。何年も一子相伝の北斗神拳ようにやり方が受け継がれている訳です。何年も経つとそれが法的根拠に合わせて適切なのかという意識は薄れ、ある意味でマニュアル化されているとも思うのですよね。お役所仕事ってこんなところがありますよ。
最後に
こういった、典型的なお役所仕事の結果が今回の問題の一因だと思います。これとは違いますが、私のいた市役所の自治体の観光者数なんかは、一番賑わっていた時代の数字を何十年も使っていましたからね。全く実態と合っていないというものは、結構公務員の世界にはあったりするのでは無いでしょうか。
にしても今回の水増し問題。次々と出てきていますが、おそらく全国的なものになると思います。もっと広がるでしょう。