相変わらず選挙の開票で機械によって不正に集計が行われていると思ってる人ってまだいるの?
どうもいるらしい。
先日、籠池泰典氏が外国特派員協会で会見したようですが、その中でもそんな話が出たとか。
はっきり言いまして、そんなのデマです。
機械で集計なんてしてませんので。
籠池泰典氏の外国特派員協会での選挙についての話
籠池さんの話題は、はっきり言って興味無いのですが、ツイッターに流れていたので目にしてしまいました。いろんな話をされたようですが、選挙の不正集計の話はこれです。
籠池泰典氏が外国特派員協会で会見(2019.10.31)
★1:13頃〜 #不正選挙 について
選挙の開票は「ムサシ」という機械が使われている。「ムサシ」の筆頭株主は安倍晋三
プロデュースしたのは竹中平蔵と聞いている。「ムサシ」によって自動集票する事で不正しやすいpic.twitter.com/tE90DVpNdR— 前田弘幸 (@fxi9ttSrGrL5Hnx) November 1, 2019
ああ、森友学園の問題でいろいろあって、ちょっと精神病んでしまってるのかなぁ。そう思うしかありません。
このツイートにぶら下がっているリプライも、ほんとに陰謀論が好きと言うか病んでるもの多すぎです。
読んでいて、気持ち悪いくらいです。このツイートをする人も、それにリプライして盛り上がっている人も、常識では話が通じそうに無いですね。はっきり言ってイタイです。
籠池発言の書き起こし
この動画の発言を書き起こしてみましょう。
本来、手で開票していましたが、今は「ムサシ」という機械が使われておりますね。
「ムサシ」という機械の筆頭株主は「安倍晋三さん」というふうに聞いておりますし、「竹中平蔵さん」が、プロデュースしたということも聞いておりますが、ムサシによって自動集票することによって、不正が行われやすい状況になっているということはあります。
それによって「私はこの人に入れたんだけど」という票がですね、開票されないまま0票ということが、たくさんの地域で出てきてるようです。
ですから、外国人記者クラブの方々にお願いしておきたいのは、日本の今の民主国家の中と言われている
選挙制度の中では、暗黒的な開票が行われているということです。したがいまして、ホントの結果が出ているんだろうか?と、それはよく認識しております。
私として言えば、国際連合にもですね、監視に来ていただいて見ていただく。あるいは民間人が1つの集票所に2〜3人は張り付いて、そして監視をして、本当に集計が出来ているかどうかということを見極めていただきたいと、それは思っております。
書き起こしていて、ほんとに心が痛いです。壊れてますよ…
籠池氏の発言と実際の選挙事務
以前にも、選挙の投票事務で不正が行われているのではというネットの意見について、こんな記事を開票事務の経験者として書きました。
また、選挙事務の1日の流れも記事にしたことがあります。
これらを読んで貰えば、籠池さんが言ってることがいかにデタラメがわかるはずです。
籠池発言のここが間違い
籠池さんの発言のおかしなところを順に指摘しておきましょう。
全くの間違いです。
ムサシで自動集計?
選挙の集計機器がムサシで行われていて不正が行われているということですが、上で示した私の記事でも書いたように、機械で自動集計する事はありません。単に機械で仕分けしているだけです。
その仕分けされた投票用紙は人の目で複数回チェックされて、他の候補者の投票用紙が混じってないかもチェックします。
また、投票用紙は機械だけでなく、人の手でも同時に仕分けしています。全てを機械任せでは一切ありません。
「ムサシ」という機械の筆頭株主は「安倍晋三さん」?
選挙機器のメーカーである株式会社ムサシの筆頭株主が安倍総理ということですが、株式会社ムサシのホームページを見てみましょう。
IR情報の中に、「株式の状況」というページがあります。そこの大株主という項目を見てみましょう。
どこに「安倍晋三」が筆頭株主になっていると書いているのでしょうか?
ジャスダック市場に上場している会社ですから、デタラメなことを書いているわけが無いですよね。
籠池さんは「聞いております」と言っていた訳ですが、いったい誰から聞いたのでしょう?
「私はこの人に入れたんだけど」…開票されないまま0票?
籠池さんは、機械による不正集計をこうも言っています。
「私はこの人に入れたんだけど」という票がですね、開票されないまま0票ということが、たくさんの地域で出てきてるようです。
とのことですが、「この人に入れたんだけど」というような話は、確かにニュースで報道されました。何回かありましたね。
1回は香川県でした。それは違う人の集計の束に全部入れていたというものでした。
もう一つは「山田太郎さん」の投票についてでしたね。こんな記事も私は以前に書いています。
これは、地域の「山田太郎」の集計がゼロになっているのを見て、自分が入れた票がカウントされていないということから発覚したものです。これは「山本太郎」との文字の見間違いによるものでした。
あのぅ…これらって、集計機械は関係ありますか?
それに、この2つの事件って、自民党候補者のものがカウントされなかったというものです。安倍政権に不利になることを、安倍政権が不正してまで率先して行っているという事になりますけど、籠池さん、そういう理解でいいですか?
他のところでも書きましたが、不正の集計が発生するとすれば、それは集計事務の最終段階に近いところで人為的に行われるだろうと書きました。香川の件は、そんな印象を私は持っています。最終集計事務の担当者が反自民の考えを持つ野党系のシンパシーを持っていたとして、やろうと思えばそこで実行するというものです。公務員は自治労の人多いですからね。(実際はどうかわかりませんけど)
民間人を集票所に貼り付けて監視を?
籠池さんは、こうも言ってます。
あるいは民間人が1つの集票所に2〜3人は張り付いて、そして監視をして、本当に集計が出来ているかどうかということを見極めていただきたい
全くのナンセンス。開票事務の実態を知らない発言です。民間人が監視できますよ。
選挙の開票には何人もの立会人がいます。私の知る限り、支持政党が与野党関係なくどちら側の支持者も立会人になっているという印象です。
それに開票作業は、マスコミも一般人も指定の場所から自由に見学することができます。双眼鏡で見てる人もいますし、得票の束を見てどの候補が有利に進んでいるかといった見定めもマスコミはやっています。
選挙事務を知らない一般人の投票用紙の監視によって、不正投票が行われているというデマが流れているということも上で挙げた記事の中で書いています。
ツイッター上にもおかしいという指摘アリ
なお、ツイッターでも同様に、これらのおかしさを指摘している人がたくさんいます。
そういったツイートのまとめサイトの記事(ムサシ、陰謀論(投票用紙計数機による不正選挙)の次は風説の流布(筆頭株主は実質・安倍晋三)発生)にも同様の指摘がまとめられています。
その中の片柳すすむさんという方がツイートした選挙開票事務の流れを見ると、私が以前記事にした選挙事務の流れと同じようなものだということがわかるでしょう。どこも機械で不正なんてやってないですし、できません。
結論・・・イタイです。見てられません…
選挙での不正投票を騒ぐ人は、恥ずかしい事実誤認をしているのがほとんどです。籠池泰典氏も今回の発言でその一人となっています。
ほんとに、気の毒なほど会話が成り立たない人になっているのでは無いかと思い、見ていてこちらの心が痛みます。
息子さんの籠池佳茂氏が『籠池家を囲むこんな人たち』という本を書いて、両親の問題をなんとかして終止符を打とうされています。
ほんと、この籠池泰典氏の外国特派員協会での記者会見、まともに相手にする人はいるのでしょうか? 正常な感覚の持ち主なら、頭を抱えずにはいられないと思います。(でも、不正だ、不正だ!と盛り上がっている人がたくさんいるのも事実なんですよね。痛すぎます)
記者会見の全映像はこちらから見るとこができます。
見るに耐えられません。「・・・と私は聞いております」って、他のところでも言ってます。一体誰から聞いたの?それを言えば、もっと話はすっきりするのに。「・・・と思います」というものばかりですよ。
質問する記者の中にも、偏向している人物もいて気味が悪いです。いわゆるアベノセイダーズとネットで言われている部類の人でしょうね。動画へのコメントもイタイものが多いです。
みんな正気なんだろうか?