失われた20年と言われたバブル経済崩壊からの日本経済の低迷。この時期、統計的には自殺する人数が増えて年間3万人を超えたということはよく言われました。
経済環境と自殺の関係は正の相関があるとも言われています。
そうなると公務員は経済的には安定しているので自殺は少ないと考えられますが、現実はどうでしょうか。
公務員の自殺率は低い?
公益財団法人日本精神衛生会のホームページによると平成13年から平成17年までの調べによるとこうあります。
国家公務員の自殺は国民一般と比べると人口10万あたりの自殺率は低い
経済的に安定しているから当然の結果にも思えますが、考えられている中身はちょっと違うようです。
一般に自殺率は40歳代以上になると高くなるようですが、これはやはり日本の景気低迷によるリストラの影響をモロに受けた世代だからということもあるでしょう。
一方、公務員は39歳以下の自殺率が一般的なデータと比べると高くなっているようです。安定した仕事であるため景気とは無関係な理由にも思えますが、その実際のところはよくわかりません。
同期の職員の自殺を経験
私の勤めていた市役所でもやはり自殺はありました。2件ありましたね。
1件は別の部署の知らない人でしたが、もう1件は私の同期の職員が自殺をしてしまうことになりました。新聞などで時々見られる話ではありましたが、もう単なる世間のニュースというものではなくなりました。自殺の理由は当然ながら本人にしかわかりません。
別の部署であまり顔を合わせることのない同期職員でしたが、事件が起きる2週間前くらいに久しぶりにロビーで出会って言葉を交わし、飲み会でもしようというようなことも言ってたのですがね。確かに、今思えば、どことなくくたびれていたような表情ではあったのですが、その時は全くそんな思いつめたことがあるなどとは思ってもいませんでした。面白い人物だっただけに残念でした。
悩みを抱え込む若い有能な公務員
若い公務員の自殺率が平均より高いというのもわかるような気がします。
公務員はおそらく係長くらいの人がいちばんいろいろと仕事を抱えるものだと思います。上司からと部下からに挟まれてますし、年齢的にも家庭の問題も抱えているころかもしれません。
もちろん、その公務員個人の単なるプライベートな悩みなのかもしれません。
仕事に関しては、本当にこの世代の人は任されたら放って置かれるという感じはあるような気がします。頼られているというと格好がいいですが、責任を押し付けられているという面があるかもしれません。
メンタルなケアは実質としては不十分
では、メンタルヘルス的なケアはどうなのかと言われても、こういう話題ってなかなか対応できるものではありません。
研修などもありますが、それでどうなるという思いもありますし、カウンセラーを設置といったところで、常駐して相談にのってもらえるわけでもなく、おそらく地域の心療内科の診療所と提携などをするくらいでしょう。
ですから実質的に効果のある対策ってなされてないでしょうね。
宴会などで飲み屋で騒ぐとき、学校の教員と公務員が一番態度が悪いと聞いたことがあります。こういうあたりの裏に理由が隠されてたりするのかもしれませんね。
問題はできるだけ早めの解決を!
自分だけで抱えてしまうことなど、立場的なことから悩みを公にできない面は公務員には多いと思います。
吐き出して発散する機会があまりないので、事は小さいうちに解決するのが先決です。
公務員はストレスの無い職場というわけではありません。まあ、これは一般の会社でも同じでしょうけどね。
抱え込みすぎないことを意識しましょう。ちょっと言い方は悪いかもしれませんが、少しは他の職員に責任転嫁するのもいいですよ。なぜなら、逆に責任転嫁されていたという面もあるのですから。