公務員は紛いなりにも行政の専門家です。行政手続きについての知識が豊富なのは当たり前。そうあなたは思っていませんか? そんな風に思っている人って絶対に多いですよね。
実は、全くの間違いです。
何も知りませんよ。
その証拠は元役人の発言を見ればわかります。出会い系バーのラブオンザビーチという店で女性の貧困調査をやっていたという天下り問題でなぜか懲戒免職にならなかった元文科事務次官の前川喜平氏の発言です。
「認可すべきではない」と前川氏は疑問を投げかけるが…
ちょっと前の記事になりますが、毎日新聞が前川喜平氏の発言を取り上げて色々と疑問があると報道しているのがありました。その中にこんな報道があるのです。加計学園の獣医学部新設に伴う話題で出て来た話ですね。(いまだに国会ではまだやってますが。馬鹿馬鹿しい)
「博士課程もないのに先端研究ができるわけがない」と加計学園の教育体制に疑問を投げかけた。
これを見て大学受験をする時に進学希望の大学を調べたことある人なら違和感があるのでは無いでしょうか。大学院の無い大学って普通にあるでしょ?
前川氏の発言に疑問を呈する大学関係者
この奇妙さは一般人でも感じるものですが、流石に専門家からも意見が出てきていました。
まずは経済学者の飯田泰之さんがツイッターでニュースに疑問をこのように述べていました。
一期生が最終学年になるまで博士課程設置できないのに「博士課程もないのに先端研究ができるわけがない」。。。完全に印象操作
→岡山・加計学園:獣医学部新設問題 「認可すべきではない」 前川氏が疑問呈す - 毎日新聞 https://t.co/wzIdHSiMdf
— 飯田泰之 (@iida_yasuyuki) 2017年11月12日
これには一部緩和がされているようですが、いきなり大学院があるという大学は考えられないというのが学者の世界では普通のようです。
これは僕も知らなかった。。。
(完成年度ではなく学部設置後一年経過以降が要件とのこと)ただし最近の新設学部の院の設置をみてもみな完成年度まで待たされている模様. https://t.co/saIVIq31Ey
— 飯田泰之 (@iida_yasuyuki) 2017年11月12日
飯田さんが引用していた方の連続ツイートが大学院設置の流れがどういう認識なのか参考になります。
ここに引用して起きましょう。
①あ〜これわかんないかもねと思ったので補足。まず「最先端研究」が基準となるべきという点自体を否定する必要はない。
ただ、現在の理系の研究は特殊な分野を除くと研究者が一人で行なうものではなく、ユニットを作って複数で協力する必要がある。このユニットを「ラボ」とか呼ぶ。 https://t.co/WOwLe1YWI3— Takehiro OHYA (@takehiroohya) 2017年11月12日
②個々のラボは、対外的にラボを代表して予算獲得などもしてくる人(典型的には教授)、ラボ内部を統制してプロジェクトを進める人(准教授)、実験の指導や監督する人(助教)に加えて実際に研究を進めるポスドク・院生などで構成される。
で、チームなので、人を揃えてせえのでできるわけではない。— Takehiro OHYA (@takehiroohya) 2017年11月12日
③ハード面もそうで、物理的な研究室・実験室、実験装置などはカネ出して揃えれば揃うかもしれないが、準備や調整、使う方の人の慣熟、試料その他の薬剤を整えて使える状態にするだけでも相当の時間がかかる。ウエット系の研究で実験動物が絡む場合はもっと深刻。
— Takehiro OHYA (@takehiroohya) 2017年11月12日
④なので理系の先生方に言わせると、自分がトップになってからラボ全体が機能する状態に持って行けるまでに数年、下手すれば十年かなという話になる。これが彼らのモビリティが低い最大の理由(逆に、単独研究中心で移っても研究できる文系は移動可能性が高い)。
— Takehiro OHYA (@takehiroohya) 2017年11月12日
⑤要するに理系の研究拠点を作るというのは相当の時間を要する作業で、現時点でできるのは《数年後に研究拠点になるような組織作りに着手する》ことに過ぎない。その時点までには学年も進行して博士課程が設置できる状態になっているはずだから、現時点での博士課程の有無は研究遂行能力と関係ない。
— Takehiro OHYA (@takehiroohya) 2017年11月12日
⑥いや最先端の研究拠点は発足時点から博士課程を伴う必要があるというなら、国家戦略特区で新設申請を認めることにした時点で、同時設置を認めない根拠になっている大学院設置審査基準要綱細則の規制緩和を、《文科省が》やっておく必要がある。どちらにせよ文科省の問題には変わらないわけ。(終)
— Takehiro OHYA (@takehiroohya) 2017年11月12日
前川氏の意見は役人の意見ではなく屁理屈
以上を読めばわかるように、前川氏は大学運営の実態について全くわかっていないということがわかります。
あのぅ…文科事務次官だった人ですよね? 教育行政のトップだった人ですよね? そんな人が全く大学院の設置の実態を理解せずにこんな発言をするんですよ。アリですか?
これは前川氏が無知であるということと同時に、マスコミの報道が実態を全く検証することもなく垂れ流されているということでもあります。マスコミのおかしさはあちこちで指摘されているのでここでは細かく触れませんが、元文科事務次官ということと最近話題の人であるということで、ニュースバリューを盛ったというくだらない話ということだけ指摘して起きましょう。
それ以上に、公務員という人が実際は全くその所管について細かいことを知らないということは結構あることなのです。
官僚ですよ。財務省のような一流官庁ではなく、三流官庁と言われている文部科学省とはいえ、行政の上級機関ですよ。東大とか卒業してるエリートですよ。それがこんな程度であるということは事実なのです。
地方の公務員もミスが当然あります
この話題はちょっと極端だったかもしれませんが、地方の公務員も大なり小なりそういう面はあります。税額を間違えていたとかいうニュースが時々ありますよね。そんなものなんです。知らないことがあったり、調べてみると間違えていたりすることはよくあるんです。
ですから、一般の市民の方もしっかり勉強しておかないと、ちょっと税金とか損しちゃったりしてることがあったりします。ただし、これは全員ということではありませんけどね。稀にはあるということです。
ちょっと前に、神戸製鋼所のデータ偽装問題のニュースがありましたが、昔からの間違いが訂正されずに続いているということは公務員の世界でもあったりしますよ。見つかった時どうするか、結論が出ずに何年も申し送り事項として引き継がれていたりもします。
ただ、この前川氏の発言は本当に愚かだと思います。地方の公務員は全く違う知識の必要な分野への部署移動であることがほとんどです。全く畑違いのところに移動があります。でも、前川氏は教育行政の中でのキャリア形成ですからね。
はっきり言って、こんな人が教育行政に携わっているなんて、日本の教育が歪むのもわかるような気がします。
にしてもちょっと気持ち悪いでしょ、これ。
――一市民という言葉が出ましたが、ツイッターに「右傾化を深く憂慮する一市民」という名前の@brahmslover(ブラームス・ラバー)というアカウントがあるんです。前川さんはクラシック音楽でブラームスがお好きと伺いましたが、これは前川さんのアカウントではないかという噂もあるんです。
前川 ああ、それ私ですよ(笑)。
出典:文春オンライン
前川喜平?独白ツイートの抜粋
(togetterより)
私の勤めていた市役所にも共産党系の組合労働者がいましたけど、ここまで露骨ではなかったですよ。
もちろん、いろいろと真面目にやっていて物事に詳しい公務員もいるんですよ。だからしっかり行政は回っているのです。よくわかってない人(上司)の発言で、振り回されて尻拭いをしている部下の公務員もたくさんいるのです。そのあたりもよく考慮に入れて、役所にクレームを入れるようにしてください。人によってはとてもかわいそうな立場であったりもしますので。
ちなみに、私も問い合わせに適当に答えてしまって、あとで市民からお叱りを受けたことはありますよ。
さて、次は何について書くかな?
元小役人はこう言った。